べたところによると、現局面の前例はないようだ。△7四歩に代えて△8二玉と指した将棋であれば1局前例があり、後手を上田が持っていた。2024年11月に行われたヒューリック杯第5期女流順位戦A級▲和田あき女流二段−△上田初美女流四段戦で、△5二金左▲3七桂△7二銀▲8九玉△7四歩と進んでいる。結果は後手勝ち。
26手 5二金(41) ( 4:08/00:18:56)*上田はまだどういった陣形にするのかを明らかにしていない。先手が▲8九玉とトーチカに構える指し方を明示してから、いちばんよい指し方を選ぼうとしているのだろう。
*「先手は
銀冠に組むことはないでしょうね。▲8九玉などトーチカに囲う指し方になると思います。後手もこういった形なら、後手から動くような展開ではなさそうです」(川上七段)
27手 3八飛(28) (10:38/00:20:48)*渡部は積極的に動く。次の狙いは▲3五歩△同歩▲同飛だ。
28手 2二飛(42) (10:39/00:29:35)*上田は2筋に飛車を転回した。▲3五歩△同歩▲同飛には△4三金と対応するのだろうか。以下▲3四歩には△5一角として、次の△3二飛が受けにくい形だ。
29手 3五歩(36) (11:03/00:31:51)*11時1分の着手。▲3五歩までの消費時間は、▲渡部31分、△上田29分。
*初志貫徹で仕掛けた。
30手 同 歩(34) ( 0:13/00:29:48)31手 同 飛(38) ( 0:07/00:31:58)*【戦型は後手ノーマル
四間飛車】
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https://kifulog.shogi.or.jp/joryu_ouza/2025/07/post-5783.html 32手 4三金(52) ( 0:10/00:29:58)*▲3四歩△5一角の進行は3筋に拠点が築けるものの、次の△3二飛を防ぐ手段がないため指しにくい。
33手 3七桂(29) ( 1:25/00:33:23)*渡部は右桂を跳ねて活用した。
34手 3四歩打 ( 1:11/00:31:09)*上田は歩を打って3筋をカバーする。早い段階で渡部が動きを見せたが、現局面からはじっくりとした展開になりそうだ。
35手 3六飛(35) ( 3:51/00:37:14)*3分使って飛車を下に引いた。代えて▲8五飛も考えられただろうか。
36手 8二銀(71) ( 1:07/00:32:16)*上田は右銀を上がった。代えて△8二玉〜△7二銀と片
美濃囲いに組む指し方も考えられたところ