△同金▲同飛△2三歩▲3二銀△同飛▲同金△同角▲4三銀は△6八銀から反撃して先手玉が詰む筋が多い。その変化は後手が勝ちそうだという。永瀬は取材で
角換わりの将棋を真剣で斬り合うと例えたそうだ。本譜、ノーガードの打ち合いもうなずけ、上記の変化も、まさに紙一重となる。
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*【片山八幡社】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-f4b6.html 57手 6五銀(56) (28:00/06:27:00)*16時頃、▲6五銀右までの消費時間は▲藤井6時間27分、△永瀬5時間48分。28分考え、盤上の銀を使って銀取りを受けた。角銀と戦力を多く駒台に残す。△2四歩▲5四銀△同歩と進めば、先手は何かの際の▲7一角が有効打になるかもしれない。銀も7六に残って6七の地点を守っている。後手は△6五同角▲同銀△2四歩なら5三歩型を維持したうえで6七の地点を弱くできるが、△6五同角には
王手に▲2三歩成を利かされてもおかしくない。そのへんの兼ね合いがどうなのか。
58手 同 角(54) (43:00/06:31:00)*43分の長考で角を切り飛ばす。銀だけでなく飛車にも当たっている。この手で消費時間が逆転した。
59手 2三歩成(24) ( 0:00/06:27:00)*角を取る前に
王手を利かし、後手玉周辺を乱す。
60手 同 金(32) ( 0:00/06:31:00)61手 6五銀(76) ( 0:00/06:27:00)62手 2四歩打 ( 0:00/06:31:00)*飛車が直通していれば▲4一角が厳しかった。それから△2四歩と受けても▲3二銀がある。歩切れは甘受し、△2四歩とケアしておく。互いに1手で
詰めろをかけられる形ではない。この先は攻守を織り交ぜながら2手スキをかけ合うような、複雑な終盤戦になりそうだ。
*17時頃、△2四歩までの消費時間は▲藤井6時間27分、△永瀬6時間31分。藤井は15分以上、考えている。
*「感覚で勝ちそう、負けそうと判断する局面ではなく、一手一手読みが必要です。後手は方針が分かりやすいのですが、先手は攻めるのか、受けるのか。(1)▲4一角と攻めると後手も腹をくくって△4二金としてきます。先手は受けるなら(2)▲6八歩が見えますが、これまでの流れからは指さないでしょうね」(佐藤康九段)
*(3)▲7六銀のように、受けながら攻めては▲6五角を含みにする手が好みだという。以下、△6七銀▲6五角△5四金の順が継ぎ盤に並ぶ。攻めとしては(4)▲4三銀も見え、その変化も簡単に結論が出ない。△6七歩成には▲4一角が▲2三角成以下の
詰めろで入る。対局者は分岐の多いなか、独りで読み進めなくてはいけないから大変というほかない。往々にして1つの読み抜けが致命傷になってしまう。
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*※局後の感想※
*藤井「眺めているうちに、けっこうきついかなあと」
*永瀬も予想していたという(3)▲7六銀を挙げる。
*藤井「(A)△6七銀なら▲同金△同歩成▲同銀△8六歩▲7六角という説が」
*永瀬「なるほど、はい」
*藤井は(B)△8六歩▲同歩の展開を嫌った。△6七銀▲8七銀打△7六銀成▲同銀△6七銀……、の
千日手の権利は後手にあり、ほかに△5八とや、▲8七銀打のときの△3八と▲6九飛△5八金など気になる筋はいくつかある。永瀬は
千日手にする気はなかった。藤井も何か負けの手順があってもおかしくないという。ただ、精査すれば難しい可能性は否定できなかった。
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*【きわどい勝負】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-40fc.html 63手 4三銀打 (49:00/07:16:00)*49分の長考で拠点に銀を打ち込む。次に▲4一角が▲2三角成△同玉▲4一角△2二玉▲3二角成△1三玉▲2三金までの
詰めろになる2手スキで迫った。対して△6七歩成▲同金△8六歩と進むと先手玉に△8八銀▲6八玉△5八金▲7八玉△8七歩成までの
詰めろがかかり、攻めの速度が逆転する。△6七歩成に▲4一角のように、先手が先に
詰めろをかけた際にどうなっているのか。攻守を織り交ぜて読む必要があり、予断を許さない。
*「▲4三銀は最強の手で、次に▲4一角の狙いです。後手は△5八とか△6七歩成ですが、△5八とは持ち駒に金が2枚ないと△6八金▲同金△同と▲同玉で詰みません。銀を何枚持っても詰まないので、指しにくいです」(佐藤康九段)
*現地大盤解説会は豪華解説陣に加えて週末でもあり、1,021人の来場があったとの報告が入った。
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*【真っ向勝負】
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