6七角成▲同金△同桂成▲8七銀の進行は「全然勝ちという感じじゃない」と述べた藤井に対し、「そうですか、角を打つんでしたね。本譜は負けなんですね」と永瀬。このあとは検討されなかった。
108手 8七銀打 ( 0:00/07:12:00)*さらに金に絡んでいく。
*「これは決着がつきそうですね」(福崎九段)
*次に△7八銀成▲同玉に△7九角が
詰めろで受けづらい。検討では8筋のどちらかの銀を金で取って▲2三歩成でどうかとされた。
*離席していた藤井が足早に戻ってきた。
*
*【両者、残り時間が1時間を切る】
*
https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-2cd1.html *
*※局後の感想※
*「普通にやったつもりだったんですけど、負けているんですかね。どこが悪かったのか、ずっと悪かった可能性も」(永瀬)
109手 同 金(78) ( 8:00/07:32:00)*8七の銀のほうを取る手で応じた。この手に8分使い、藤井の残りは28分。
110手 同 桂成(75) ( 0:00/07:12:00)*ABEMAでは△8七同桂不成と不成で取る手も示されていたが、永瀬は自然に△8七同桂成と金を取る。
111手 2三歩成(24) ( 4:00/07:36:00)*歩を成って飛車を逮捕した。△2五角にはどう受けるか。△5八金までの
詰めろだ。ほかに△8六角の
王手も後手は魅力だろう。
*「ただ、△8六角▲5八玉△7七成桂は先手玉を逃がしかねないので、実戦的にはやりにくいのではないかと」(船江七段)
*時刻は18時を回った。永瀬は額に手を当てて考え込む。顔は真紅に染まっている。
*検討では△2五角には▲4八金で先手がしのいでいそうとされた。△2五角と△8六角が寄らないとなるとほかの手段がどうかだが、現状は見つかっていない。永瀬にとって苦しい考慮となっているか。
*18時24分、残り時間が24分で並んだ。藤井は前傾姿勢を続けている。さらに考え続け、残り10分となった。
*「永瀬九段に何か誤算があったのかもしれないですね。ひょっとしたらこのまま一分将棋に入るかもしれないです」(船江)
*
*【有馬を愛した偉人たち】
*
https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-cf80.html 112手 2五角打 (40:00/07:52:00)*40分の長考。残り8分まで考えて
詰めろで角を打った。
*
*【永瀬九段は秒読みに】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-61cf.html 113手 4八金(38) ( 1:00/07:37:00)*藤井は1分で金を寄る。と同時に離席していた永瀬が戻ってきた。
114手 8九銀(88) ( 1:00/07:53:00)*桂を入手。ただしこの手は
詰めろになっていない。▲1二とで先手が勝勢だ。
115手 1二と(23) ( 4:00/07:41:00)*飛車を取る。勝ちを読みきったか。△4六歩が
詰めろだが、▲3一飛や▲4二歩成△同玉に▲3一銀の筋がある。
116手 6九金打 ( 3:00/07:56:00)*残り7分から3分割いて飛車を取りにいった。
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*【クライマックス】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-68df.html 117手 同 飛(39) ( 0:00/07:41:00)*△6九同角成▲同玉△7八銀成には▲5八玉で詰まない。
118手 7八銀成(89) ( 0:00/07:56:00)*銀を成って飛車を取りにいく。
119手 5九玉(68) ( 0:00/07:41:00)*藤井の玉も元の位置に戻ってきた。△6九成桂▲4九玉△5九成桂に▲同玉だと△6九飛までだが、▲3九玉で詰まない。
*関三段の秒読みの声が室内に響き渡る。
120手 6九成銀(78) ( 2:00/07:58:00)*成銀で飛車を取る。
121手 4九玉(59) ( 0:00/07:41:00)*永瀬はうつむく。そして首を傾げた。
*「これは
打ち歩詰めの筋で逃れているのかもしれません」(船江七段)
122手 1六角(25) ( 1:00/07:59:00)*端に角を捨てる。▲1六同香に△5九飛▲3八玉△2六桂から迫ろうとしている。ただしそこで▲4七玉と逃げれば△4六歩▲同玉△4五金▲4七玉の形が
打ち歩詰めの形。船江七段はその局面が投了図になると予想した。
123手 同 香(19) ( 2:00/07:43:00)*逃げても詰まなさそうだったが、取る手で応じた。きっちり読みきっている。
124手 5九飛打 ( 0:00/07:59:00)*飛車を打ち込んだが、永瀬はもう勝負を競っている感じではない。
125手 3八玉(49) ( 0:00/07:43:00)*△2六桂のときに▲2八玉だと△2七歩がくる。以下▲同玉△2九飛成▲2八金に△4六歩と進むと、事件では済まないかもしれない。
126手 2六桂打 ( 0:00/07:59:00)*永瀬は
王手を続ける。ただ、相手玉が
打ち歩詰めであることは悟っているはずだ。
127手 4七玉(38) ( 1:00/07:44:00)*4七に逃げるのが冷静だ。
128手 4六歩(45) ( 0:00/07:59:00)*歩を突き出す。船江七段の予想が当たりそうだ。
129手 同 玉(47) ( 0:00/07:44:00)*藤井の着手が早い。いつもながら魅せる終盤戦だった。
130手 4五金(34) ( 0:00/07:59:00)*永瀬は指し続ける。
打ち歩詰めの形で本局を終えることを選んだ。
131手 4七玉(46) ( 0:00/07:44:00)*後手の持ち歩に哀愁が漂う。両者によってひとつの作品が作られた。
*この局面で永瀬の投了となった。以下△4六歩は
打ち歩詰めの禁じ手で指せず、△3六金も▲同歩△同角に▲4六玉で先手玉は詰まない。一方、後手玉は▲7一飛や▲3一飛以下などの
詰めろで受けなしだ。
*
*終局時刻は19時0分、消費時間は▲藤井7時間44分、△永瀬7時間59分。これでシリーズ成績は藤井の2連勝となった。第3局は7月29、30日(火、水)に北海道千歳市「ポルトムインターナショナル北海道」で指される。
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*【藤井王位の勝利】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-5565.html *【終局直後インタビュー】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-c7a5.html *【
感想戦】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-10da.html *
*※局後の感想※
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感想戦は20時9分に終了した。
132手 投了 ( 0:00/07:59:00)まで131手で先手の勝ち