りやすくなっている。
*「(1)▲5五銀右は△同歩▲同銀△4一飛▲6四銀に△5六歩の反撃が嫌なんですよね。重いんですけど(2)▲5五銀打とし、△同歩▲同銀右△4一飛▲6四銀もあるかもしれず、それだと△5六歩がありません。ほかに(3)▲5三香もよさそうな手で、ちょっと△4一玉とは逃げにくいように思いますので△5二桂なんでしょうけど、そこで▲5五銀右△同歩に▲同銀が相当な迫力です。いま12時10分を回ったところですか。ここで昼食休憩ですね。指し手は分かりませんが、これは当たると思います」(船江七段)
*控室では
千日手の順もあると言及されている。(1)の変化で△4一飛に代えて△6五桂と攻め合う順で、以下▲4四銀△同金▲2一飛△5二玉▲2二飛成△4二銀▲3一銀△5三銀打▲4二銀成△同銀▲3一銀△5三銀打と進めば
千日手模様。ただしここで(2)の▲5五銀打か(3)の▲5三香、あるいは(4)▲7三銀成を選ぶ可能性が高いと見られている。
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*この局面で藤井が22分考えて12時30分となり、2日目の昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲藤井5時間50分、△永瀬4時間49分。2日目の昼食は藤井が「淡路産鱧と夏野菜の天婦羅とうどん膳」。永瀬が「神戸牛肉うどん膳の大盛り、アイスミルクティー」。対局は13時30分に再開される。
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*13時30分に対局再開。藤井は指すことなく考え続けている。残り時間は2時間を切った。
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*【2日目昼食休憩】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-7583.html *【2日目対局再開】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-cbd8.html *
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*※局後の感想※
*永瀬は(2)の▲5五銀打が分かっていなかったとのこと。藤井は「それぐらい謙虚にやるべきでしたか」と述べると、△5五同歩▲同銀右△6五桂▲7三銀不成△同金▲6五銀△同歩▲4四銀△同金が並べられ、「何かいけそうな気がします。そうか、(▲5五銀打を)打てましたか」との感想を述べた。また、△5五同歩で△4六歩▲4四銀△同金にも言及されたが、後手がやりにくい順とされた。
*「基本、粘り気味に考えていました。でも、何かこちら変な手を指しましたかね」(永瀬)
89手 7三銀成(84) (40:00/06:08:00)*13時48分、藤井の手が動き、▲7三銀成と桂を取った。船江七段は「そうやるもんですか。強い人は違いますね」と、感嘆の声を上げる。△7三同金▲5五銀右△同歩▲同銀のときに、△6五桂と跳ねる手がなく、
千日手のコースはなくなった。上記▲5五同銀以下、△4一飛▲4二歩△同飛▲5四桂△1二飛に▲4三歩が継ぎ盤に並ぶと、後手側に座る船江七段は「いやー、全然自信ないです」と顔を崩す。
90手 同 金(62) ( 6:00/04:55:00)*▲5五銀右△同歩▲同銀に飛車を逃げない手があるかどうか。△5六歩は▲同歩と取られておいて攻めが難しそうと、船江七段。
91手 5五銀(46) ( 2:00/06:10:00)*取られそうな銀を別の場所で取らせにいく。△5五同歩に▲同銀となれば、攻めで働きが難しかった5六の銀が、一気に主役の座に躍り出る。
*永瀬はすぐには指さない。△5五同歩取る一手と見られているが、▲同銀のあとを考えていると控室は見ている。△4一飛以外に△4三飛や△5六歩、△7五桂のような手も示されているが、基本的に先手が指せる変化が多い。例えば△7五桂は▲4四銀△同金▲5三銀△8七桂成▲7一飛△6一銀に▲7三飛成で後手玉は▲4二金までの
詰めろ。先手玉に詰みはなく先手勝勢だ。このときに△5六歩▲同歩の交換が入っていれば、上記▲7三飛成以下△5七銀▲同玉△4六角から先手玉は詰みで、逆に後手勝ち。ただし△5六歩▲同歩△7五桂には▲7七金と逃げておき、後手が歩切れで△4三飛に▲5四香が厳しく刺さる。
*14時57分、永瀬の考慮が1時間を超えた。藤井との差は15分にまで迫っている。昨日の今頃は3時間以上開いていたがここまで迫るとは。
*15時、2日目午後のおやつが用意された。藤井は「有馬天然サイダー、マンゴージュース」。永瀬は「アイスミルクティー」。
*対局室はカーテンが閉められ、藤井がちらっとそちらに目をやった。また、永瀬からは凍ったおしぼりの追加が頼まれている。
*15時12分、ついに両者の消費時間が6時間10分で並んだ。
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*【温泉】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-00cc.html *【2日目午後のおやつ】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/post-4a35-1.html 92手 同 歩(54) (78:00/06:13:00)*1時間18分の長考で△5五同歩と銀を取った。
93手 同 銀(56) ( 0:00/06:10:00)*藤井はいったん駒台の駒を整えてから、▲5五同銀と歩を取り返す。
*「ここですね」(福崎九段)
*「自分の実戦だったら△5六歩と打ちそうですけど」(船江七段)
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*【攻めの手がかり】
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https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2025/07/15-12da.html *
*※局後の感想※
*本譜は△4六銀だったが「第一感は△5六歩だった」と、永瀬。以下▲同歩に△7五桂▲7七金△4三飛や単に△4三飛などでどうかとされた。
94手 4六銀打 (12:00/06:25:00)*永瀬は4六に銀を打って▲4四銀を催促に出た。検討には挙がっていなかった手で、後に△5七銀成からの殺到を用意した手でもある。
*「これは考えますね。30分は使うと思います。さすがに知らない手を指してきますね」(船江七段)
*▲4四銀△同金(1)▲5三銀△4三金が継ぎ盤に並ぶ。先手はあまり駒を渡しすぎるとトン死や
詰めろ逃れの
詰めろなどですぐに敗勢となる恐れもあり、神経を使う。続いて(2)▲7一飛△6一桂▲5三桂がどうかとされたが、それは△4二玉で後手がいなせそうとされた。
*永瀬は棋譜用紙を手に取るとしばらく見つめてから記録係に返した。藤井は扇子の先を持ち、クルクルと回す。
*15時58分、船江七段の予想通り、藤井の考慮が30分を超えた。船江七段は(